本の未来とアドビのソフト:chiaki ohnishi
これはレビューではない。というのは、私はまだAdobe Creative Suite 3(Design PremiumおよびWeb Premium)を使うチャンスがないからだ。また、実際そうする必要はない。つまり、このパッケージの中身すべては単に既存のAdobeソフトウエアのアップグレードなのだ。もっと使いやすくバンドルされているだけだ。
Design Premiumには、InDesign CS3、 Photoshop CS3 Extended、Adobe Illustrator CS3、Adobe Flash CS3、Adobe Acrobat 8 Professionalの新しいフルバージョンが入っている。箱に書かれた宣伝文には「デザイナーは印刷、Webおよびモバイルパブリッシング用ツールキットを夢見る」と書かれているが、私はこれについてはちょっと何とも言えない。これらのプログラムはすべて互いにスムースに動く。
Web PremiumパッケージはDreamweaver、Flash、Photoshop Extended、Illustrator、Fireworks、AcrobatそしてContributeを含んでいる。Design PremiumもWeb Premiumも多くのサポート用プログラムがバンドルされている。
Dreamweaverは試したことがある。私のWebページ(www.jerrypournelle.com)は、今はMicrosoft FrontPageで管理しているが、これはサポートが終了しそうになっており、近々新しいものにしなければならないだろう。その時はAdobe Creative Suite Web Designerにするだろうと思う。これは普及しそうだからだ。
Adobe CS3製品に関しては、あり余るほどの本がある。私は研究用に20冊は持っている。Adobeの使い方を学習するのはそれほどの問題ではない。私は、FrontPageからAdobe DreamweaverにWebサイトを転換する方法をまだ研究していない。だがそれほど難しくないと聞いている。いずれわかるだろう。やったら、あるいはもしやることになったら、報告する。壊れていないものを直す気はなく、FrontPageは、今は良好に動いているからだ。
出版産業は急速に変化している。ペーパーバックで儲けている出版社はほとんどない。WinHECで本物のポケットコンピューターを見た。人が持ち歩くのに十分なほど小さい。これは今後、誰もがあらゆる場所で使うようになる、と確信している。そうなったら、これは読書にとって主要な道具、あえて言えば一番主要な道具になると思う。それは娯楽と教育の両方で使われることになるだろう。
そうなれば、物語を伝える技術は変わるだろう。確かに、昔ながらの書式の物語は存続するだろうが、新しい形式も現れるだろう。伴奏音楽のある物語。地図のある物語。キャラクターのイラストがついた物語。会話のシーンがある物語。会話の一部が実際に話されるシーンのある物語。
これはすべて、新しいポケットコンピューターなら簡単にできる。最初のうちは、それほど人気はないだろうし、読書をする人は、音楽やイラストに邪魔されずに読書をしたいという古風な人と、木から作った紙に印刷してほしいというきわめて昔風の人と、エンタテインメントがストーリーに織り込まれているのがよいという近代的な人に分かれるだろうと思う。
今は、物語は映画になっていない。ハリウッドが映画全体にかける費用より、想像を刺激するために3つの段落の言葉に特殊効果を付けられるようにする費用のほうが高くつくかもしれない。だが読者は、詳細な説明、地図、図表、イラストが好きだ。また、私は彼らが、単にポケットコンピューターで可能なことだけでなく、ポケットコンピューターなら簡単にできるようなことを好むだろうと思う。
だから私は、新しいユーザーエクスペリエンスを作るような新しいソフトウエアツールが重要だと考えるのだ。アップルはそれを理解しているようで、ユーザーがこうした素材を作品に簡単に追加できるようにしようと努力している。Adobeのパッケージは、Windowsでもそれができるように後押ししてくれる。
コンピューターが登場する前は、書くことを学ぶのは大変だった。きれいな原稿を作るためには、カーボン紙、修正液その他もろもろのワザを知らなければならなかった。小型コンピューターは、そのほとんどを不要にした。初めはあまり簡単ではなかったし、小型コンピューターを使うためには、いろいろなことを学ばなければならなかった。それは変わった。作家はいまや、制作ではなく言葉に専念することができる。
私は次の10年で、新しいエンタテインメントを格段に作りやすくしてくれるソフトウエアツールが開発されると信じている。それがどんなものかは、おぼろげにしかわからない。私は実験して、もっとよくわかるようにするつもりだ。
Sybexが出した新しいAdobeソフトウエアスイーツの使い方を教える本を挙げておこう。まずTim Grey著、「Photoshop CS3 Workflow, the Digital Photographer’s Guide」だ。この本は、プロレベルのデジタル写真作品を作るための設定といった難解なことまで踏み込んでいる。
2冊目はEllen AnonとTim Grey共著の「Photoshop CS3 for Nature Photographers」である。題名が示すとおり、カメラとPhotoshop CS3を使って立派な自然の写真をとる方法が書いてある本だ。さまざまなツールと、その使い方を説明している。
白状すると、私は新しいAdobeツールパッケージの使い方について、たくさんの本を集めている。ポケットコンピューターがユビキタスになったとき、エンタテインメントの新しい潮流に乗り遅れたくないのだ。